72話 ページ22
閉会式
「…」
2年の1位は圧倒的な差で1組になった。
大きな拍手がグラウンドを包み込む。
とりあえず、終わった。今日も仕事あるから
さっさと帰ろ
ut「A〜」
sha「あ、おった」
kn「おお、」
「なに」
着替え終わった俺に、体育服の彼ら
が走ってきた。要件を問うと、
ut「俺がアイス買ってやる言うたやん!」
ut「やから今から行こ!」
「…あれ冗談やし、別にいいよ。」
「仕事あるから、帰るね」
sha「大丈夫ってグルッペンさん言ってたで」
「え」
sha「なんかAに今日は仕事しなくていいぞって伝えてって」
「…」
そういや今日はあの人の仕事だけだ。
なんだキャンセルしたのか。
財布の中身を心配しながらも
やることが無くなったので彼らについていく
真っ赤な夕日を誰かと見るのなんて
すごく久しぶりだった。
───
コンビニ
ut「ほい」
「…ありがと」
渡された氷菓。青い氷をかじれば
甘いソーダの匂いと砂糖の甘さが
舌を冷やしていく。しゃくしゃくと
咀嚼音すら風鈴のように吸熱作用が
あるらしい
sha「A、1口ちょうだい」
「どうぞ」
sha「やっぱソーダでもええな、」
sha「A、1口あげる。あーんして?」
「…あー、」
「…」
いちごミルク味のガリ〇リ君は、
瑞々しい苺、初手に香る牛乳
味は濃くはないが、美味しいか…
「あ、…」
口から垂れた、拭かなきゃ
sha「…」
kn「…」
ut「…」
Aの咥える仕草や、口に垂れたモノを
服姿に体内の体温が急上昇。あかん、
だきたくなるやろ!
kn「おまえよう襲われずに生きてたよな」
「…なにが?」
kn「え〇いわ」
「変態」
sha「…」
Aのソーダ味なんてわからんくらい
舌が熱い。これって…関節キスよな
…あ、あいつ。そういうの抵抗ないん?
───
病院
「ちる、元気?」
ちる「うん、Aは、元気?、」
夕方の終わり。Aが、来てくれた
少し赤くなった頬と体操服。体育祭が
あったんだって
「来年、来ればいいから」
ちる「…うん」
これなかった自分に慰めるA。
Aは、一人ぼっちで寂しくなかったのかな
ちる「A、お、お友達できた、?」
「うん。沢山できたよ」
ちる「!…あ、会ってみたいな」
ちる「いつか、でいいから」
「どうして、?」
ちる「な、いしょ」
Aをひとりにしないでって、
いいたいからだよ、
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作者名:あちき | 作者ホームページ:http://33550619
作成日時:2024年3月28日 22時