case11.告白 ＜shp side＞ ページ13
突然の出来事に、頭が回らなくなった。
男っ気の無いあなたが告白されるなんて彼は到底予想していなかったのだ。
でも冷静に考えたら優しくて可愛らしいあなたが男に好かれないはずなどなくて。
問い詰めると、自分の気付かない内に眼光が鋭くなっていたのかあなたが怯えたような表情を見せた。
どうするつもりなのか尋ねれば、歯切れが悪い。でも、の後に続く言葉を彼は聞きたいのに、あなたは濁した。
『でも』どうしたいんだ。
あわよくば、『でも』俺のことが好きだから、と言ってくれないか、なんて彼は都合の良いことを期待してしまう。
そうして、彼とあなたの間にうるさい程の沈黙が訪れた。静寂が恐ろしく耳を痛めつける。
あなたの幸せを願うなら、自分はここで手を引くべきだということを彼はわかっている。自分がここで告白したところで、あなたを選択の地獄に落とすだけだ、と。
彼がぐるぐるとした気持ちを整理していると、あなたが突然沈黙を破った。
顔を上げれば、いつものように柔らかく笑っている。笑っているけれど、眉根を寄せて今にも泣いてしまいそうな、張り詰めた顔。
ばいばい、と言った声が裏返っていた。合わせて振ってくれた手が震えていた。あなたの華奢な背中が硝子細工のように儚く繊細に見えて。
彼の中で理性がぷつんと音を立てて切れた。
今まで何かと理由をつけて逃げてきていたのに、人の勇気にあやかるなんて狡いっすよね。
俺だって、自分の意思で言いたかった。
でも、あなたが誰かに取られるのはもっと嫌なんです。
彼があなたの腕を掴む。離すまいと、力を込めて。
「A先輩――好きです。俺と付きあってください」
狡くて、我儘で、勇気の無い俺で良ければ。
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緑黄色野菜(プロフ) - キルさん» 喜んで頂けて嬉しいです〜！！書くの凄く楽しくって！リクエストありがとうございました！これからも頑張ります！ (5月11日 6時) (
レス) id: ae06c5e6e2 (このIDを非表示/違反報告)
キル(プロフ) - リクエスト書いてくださりありがとうございました！最高すぎました！想像していたものより何倍もすごくって、かっこいいっっ！！ってなっちゃいました！わたしピンクなのめっちゃ好きなので、めっちゃ嬉しいです！これからも更新応援してます！ (5月10日 23時) (レス) @page37 id: db14baf272 (このIDを非表示/違反報告)
緑黄色野菜(プロフ) - あくのさん» わぁ、ホントですか！？よかったぁ！！ちょっとやりすぎたかなと不安になっていたので喜んで頂けて私も嬉しいです！ (5月3日 17時) (レス) id: ae06c5e6e2 (このIDを非表示/違反報告)
あくの(プロフ) - ドロドロいいですね...！！！ここまで甘いお話書いてくださる方があまりいないのですごくうれしいです！！ (5月3日 13時) (レス) @page33 id: f9355a1561 (このIDを非表示/違反報告)
緑黄色野菜(プロフ) - りずさん» リクエストありがとうございます！可愛いお話だなんて、嬉しくて嬉しくて(照)甘さマックス、挑戦させて頂きます！ (5月1日 0時) (レス) id: ae06c5e6e2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：緑黄色野菜 | 作成日時：2024年3月25日 0時
