13話 ページ16
an｢……｣
視線を向けられたanさんは俺の後ろから顔を出す
この場に居る全員の視線が彼女に向いた
??｢あんさんには申し訳ないけど、お引き取りお願いするわ｣
an｢……ごめんなさい…"トントン"様。私も簡単に下がる訳にはいきませんの｣
tn｢さようですか…｣
gr｢いいじゃないかトン氏〜！1人！1人だゾ！｣
gr様が幼子のように駄々をこねる
今朝との様子がまるで違いすぎる……
tn｢グルさん、アンタは一旦黙ってくれ｣
??｢おいグルッペン、お前以外はまだ納得いってへんぞ｣
??｢グルちゃんが言うことは僕も賛成したいけど
こればかりはねぇ｣
室内が反発の声で騒がしくなる
俺も彼らの立場ならそうする
どんな理由があろうとも女なら別
彼女には申し訳ないがこればかりは彼らに同情する
an｢っ……｣
段々と生徒会室内の空気は悪くなっていった
anさんはさぞ居心地が悪いのだろう
唇を噛み締めていた
ふと下を見ると、anさんは俺の袖裾を握っていた
俺に何とかして欲しいのだろうか……それとも無意識か
俺も本来なら彼女のことなんてどうでも良かっただろう
だが、俺の借りはこの先ずっと残るものだ
彼女はそんな人とはあまり思えないが、今ここで見捨てて計画を台無しにされては困る
『すみません』
anさんの次に、今度は俺に視線が集中する
『そちらのお気持ちも分かりますが、彼女を見放すのは俺も反対します』
tn｢リ、リーベさん…｣
『私情もありますが、なんと言っても彼女は光魔法の使い手です。知力も魔法の腕も申し分ないと聞きますし、生徒会としても優秀な人材は手放さい他ないでしょう？』
an｢リーベ様…｣
少し考えが変わるといいのだが
これで納得しなかったら俺はそこまで
この後のことは皆様とanさん次第である
??｢ん〜、アンジュさんであってるめぅ？｣
an｢は、い｣
1人の男がanさんの前に出る
??｢君は
生徒会に入ってどうしたい？｣
赤いトルコ帽子を被った方がそう問いかける
an｢……具体的なことはまだ自分でも分かりません
でも、…いつか平民でも努力はきちんと報われて、実力がなくても頑張りがちゃんと評価されて
夢物語かもしれないけど
皆が毎日笑顔で幸せに暮らせるような
そんな世界を作りたいんです｣
それがanさんの夢か
??｢んー…｣
anさんに問いかけた彼は、彼女の顔をまじまじと見つめ少し考え込んだ
そして、くるっと彼の仲間であろうgr様達の方を向いた
??｢俺は……アンジュさんを一旦採用するめぅ〜！｣
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作者名：チーズの残りカス x他1人 | 作成日時：2023年12月29日 21時
