【d!】俺のおよめさん (ページ9)

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6話ページ9

ゆっくりと息を吸って、深呼吸をする

『……』

俺なら大丈夫だ
今までの努力を信じろ
毎日死ぬ気でやってきたんだ

約束を果たす為にも

指先に集中し、水晶に魔力を流し込んだ

水晶に吸い取られた魔力が中央に集まる
収束した魔力が綺麗な紫色に輝き、消えた

そして、先程の綺麗な光とは打って変わって、綺麗と言うには程遠い
ドス黒く禍々しいものが現れた

『……ふぅ』
ni｢へ〜、レイくん凄いや｣

生徒達が上手くできているかの確認だろう
ni先生が声を掛けてきた

『そんな……リーベ家として当然でございます』

ni｢そんなことないよ。だって

そのランクは君の歳でも中々いないし｣

水晶が示した俺のランクは

"10"だった

ni｢オーラでなんとなく分かってたけど
レイくん凄いよ。自信もってね｣
『いえ、俺もまだまだなので』

10レベルなら安定して学園生活が送れるだろう
スタートダッシュはまぁまぁと言ったところか

ni先生が水晶の俺の魔力を眺め、少し考え込んでいた

ni｢闇魔法か、……でも深紫じゃない…？｣
『あぁ、俺の魔法ですか』

初めて見たら違和感があるもんな

ni｢ごめんね。初めて見たから気になって……気を悪くさせたなら謝るよ｣
『大丈夫ですよ
自分でも、昔から分かってますから』

本来、闇魔法は黒と紫が混ざった深紫色をしている

だが俺の闇魔法は黒……"真っ黒"なのだ

見ていたら閉じ込められてしまいそうな黒…闇なんかよりもっと深い
不気味な程に

小さい頃、魔法の稽古の時は
皆に｢気味が悪い｣と言われたものだ

ni｢まぁ魔法が黒いからって君を卑下しないしさせない。担任となった以上、俺が守るから…ね？｣

ni先生は優しく微笑む

『…ありがとう、ございます』
ni｢まぁ魔法はぶっちゃけ個性だし、周りからどう言われようと気にする事はない

素敵な魔法だよ。君の魔法は｣

『は、はぁ……』

褒められたことは今まであまりない為、戸惑ってしまう

褒められたのはいつぶりだろう
少しだけ、ほんの少しだけ
心が温かくなるような感じがした

ni｢さてと…皆終わったな〜？回収するぞ〜｣

ni先生は教卓に戻り、魔法を使って教室内の水晶を全て回収した

ni｢おーこのクラスは個性豊かでいいね
君達が将来どうなるか……楽しみだ｣

そう告げられると教室内が歓声で盛り上がる
その中で俺は1人、またぼーっと窓の外を眺めていた