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俺が二階へ向かった時に見えた光景は。血を流している女性が壁に寄りかかってシャオロンと銃を向けあっている姿。
慌てて俺らは敵へ銃を向ける。
＿＿だが。
壁から別の敵が現れる。そして必然と、先頭にいる俺に銃が向けられた。
ああ、これはまずい。
本能的に悟った時、
躊躇もなく引かれたその弾は一直線に俺へと向かう。
仲間が俺になにか声をかけるか、
俺にはその言葉は届かなかった。
けれど、小さくてか細い女性の声は、俺の耳に届いてきた。
" わたしが、たすけるから "
大きな銃声に目を瞑り、あとから来るであろう痛みを待っていたがそんなものは来ず。
恐る恐る目を開けると、そこには
血が溢れる肩を抑えて、蹲っている女性がいた。
でもその彼女のナイフは今、俺の首元へ向けられている。
kn「っ、？」
『……っ、ころして、』
彼女は肩から溢れる血を気にせずに、
右手でナイフを持ち、左手でその手首を押さえている。
けれど、数ミリ、数ミリ、とそのナイフは俺の首に近づいていく。
震える手で、荒い呼吸で、言葉を紡ぐ。
『ころしたくないの。おねがい、』
その時。割れた窓から入る風により、彼女の長い髪の毛で見えなかった顔が見える。
kn「…あ……」
そう、彼女は＿＿。
『……わたしからの、最期のおねがい。聞いてくれるでしょう？
ねえ、しっま』
sha「おいシッマ、はよせんと……！」
そんな声が聞こえる。
はあ、ほんまに。神様はとんでもない試練を与えてくれたな
俺は、持っている武器を
＿＿捨てた。
『！？何して……！』
kn「お前を殺すか自分が死ぬかだったら、俺は後者を選ぶで」
『…っ、馬鹿！！ばか！！！わたし、＿＿っ、だめ、あーーもう、この手、どうにか＿＿ううっ、、あ、』
苦しそうに藻掻く彼女。
＿＿ああいっそ、殺してしまったら彼女は楽になれるのか…？
shp「…コネシマさん。彼女、このままの方が辛いですよ。」
分かっとる。分かっとるんや。
kn「っ、俺には、出来ない、」
『＿＿しっま、』
そんな彼女の言葉と一緒に、三階から大きな銃声が聞こえる。
ああ、ゾム。倒したんやな
そしてそれと同時に、彼女は力が抜けたようにそのまま倒れ込んだ。
kn「……、おい、」
あれだけ待ち望んだ再会が、こんなにも苦しいものになるなんて想像して、いなかった。
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作者名：えむいー | 作成日時：2024年2月16日 11時
