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彼女が手に持っていた銃が地面に落ちる。
同時に彼女は苦しそうに息を吐き、吸い続ける。
そうか。なるほど。
身体を操っていたのはボスだから。
そのボスが死んだ今こいつは＿＿
kn「おい、しっかりしろ……、おい！」
『＿＿しっま、いいよ、しっま…』
kn「…絶対に、死なせへん、だから、」
彼女の手を握りそう言うが、彼女は首を横に振るだけだった。
kn「お、い」
『しっま、ごめん、わたし、しっまとの思い出、ほとんど消えちゃったの。約束も、もう覚えてないの。ごめん、ごめんね』
kn「…そんなのええよ。お前が生きとったら、なんでもええ」
周りのやつらが無言でこちらを見ているが、
俺の頭の中は目の前の事に夢中でそれどころでは無い。
『……しっま、かっこよくなったね。うん、わたしのじまんの＿＿ｯｺﾞﾎｯ､』
kn「喋るな、ほらな、そろそろ迎えが＿＿」
インカムから聞こえた、今から向かうの言葉。
負傷者がおると、そう誰かが伝えてくれたらしい
＿＿だから、まだ彼女は＿＿
『さいごにしっまと会えてよかった。しっまのこと、ころさなくて、よかった。わたしね、がんばったんだよ。
あと、ごめんね、しっま。あのとき、あなたのこと、裏切って、ごめんなさい』
彼女はニコリと笑ってそう言う。段々と冷たくなって行くその手を、俺は握ることしか出来ない。
裏切られてなんかない。今こうやってまた出会えたんやから。
そして彼女の手が冷えきったとき。ゆっくりと彼女は目を閉じた。
今の俺は、どんな顔をしているのだろうか。
結局俺の願いは、叶わないままだ。
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作者名：えむいー | 作成日時：2024年2月16日 11時
