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医務室でいつもと変わらずにAの隣で本を読む。
訓練と食事以外の時間はいつもここに来る。Aが目を覚ました時に寂しくならないように。
彼女はあの頃よりも成長した今の俺を見てどう思うのだろうか。
彼女の方に視線を向ける。
「俺が成長したのと同時にこいつも成長してんやなぁ」
それは当たり前なことだけれど。
俺の中の13歳の彼女はもうここにはいないんだ。
あれから6年＿＿今はもう19歳、やねんな。
彼女の手を握る。俺の記憶の中の温かい彼女の手と比べると随分と冷たい手だけれど、脈が動いているのを感じて安堵する。
彼女は今生きているんだ。
その事実をしっかりと胸に刻んで、俺はそのまま眠りについた。
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目が覚めたのは、右手に何か違和感を覚えた時だ。
kn「…A…？」
起きた瞬間でもAの名前を呟いてしまうのだから重症だ。
繋がれた右手が、確かに今＿＿。
『…名前』
kn「あ、」
『名前、呼んでくれたの、はじめて、じゃない？』
kn「っ、A、いくらでも、呼ぶ、から＿＿」
『んふふ、泣かないで、シッマ』
彼女の指が俺の目元へ来た時に、やっと自分が泣いていることに気付いた。
そんな涙も今は知らん。昔の俺＿＿Aの記憶の中の俺は、泣いてるところは何がなんでも隠すんやろな
『あーあ、ダサいなぁ私。もう、会わないつもりだったのに』
kn「…俺はまた会えて嬉しいで」
『私シッマのこと裏切ったのに？』
kn「関係ないやろ」
『……そっか』
そんな時に医務室のドアが開く。
医務室に入って来たのは、大先生、ゾム、シャオロンの3人だった。
ut「シッマ〜＿＿って、あ」
sha「え！！目覚めたんか！！」
『あれ、貴方、』
Aは大先生の方を見て目を見開く。
zm「え、知り合いなん？」
ut「ああ、そーやね。あの拉致られた時に助けて貰ったんよ。」
kn「そうやったんや」
ut「助けてもらわんかったら俺多分変な注射されて死んどったわ、ありがとな」
『無事で何よりです』
sha「Aさん、やっけ？シッマの小さい時のこと知っとるんやろ！？聞かせて聞かせて！」
kn「ちょ、おいシャオロン……」
『もちろんです！！』
Aが満面の笑みでそう言う。
kn「おい！！！！」
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作者名：えむいー | 作成日時：2024年2月16日 11時
