【d!】この先も君と共に【kn】＜完結＞ (ページ10)

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自分が孤児として路地裏で暮らしていたこと。

そこに彼女が現れたこと。

彼女と、数年間ともに過ごしたこと。

いつ死ぬかも分からない状況なのに、彼女はいつも明るかったこと。

そして急に、お揃いのミサンガだけ残して俺の前からいなくなってしまったこと。

kn「俺は、自分のことに精一杯やったんや。あいつは最後の日、俺に向かって
、自分のこと忘れないでって言ったんや。後悔してもしきれへん。あの時その言葉に違和感を持っていたら、何か変わったかもなぁ。
…だから俺は、あいつを見つけたい。あいつを守れるくらい、強く、なりたい」

大先生は真面目に話を聞いてくれた。

全部話し終えた後、俺に言う

ut「そんなことがあったんやなぁ。誰にも言えへんくて辛かったやろ」

kn「…別に。…あのな、…俺まだ、あいつの名前、呼んだこと、ないねん。」

ut「じゃあ、早く見つけてあげへんとな。こんなとこでウジウジしとる場合やないな。
その子も待っとるで。」

kn「そう…やな。やっぱ相談してよかったわ。楽になった。ありがとな、大先生」

ut「これくらいなんともないわ。…あんま無理せんでな？」

kn「ああ」

ut「そんじゃ、話してくれてありがと」