【d!】欲に忠実《男主》

7話・gr紹介 ページ7

夜

「あー、ゾム君言ってたよね…」

垂直に落ちて破裂する滴達は気持ちまでもおとしていくらしい。ビニールで作られたあの防具を恋しく思いながら、屋根の先を行こうとした時

gr「A。傘ないのか」
「あ、グルッペン”社長”」

gr「よせ。今はただの友人だろ」
「一応会社だから？あれ、グルッペンがこんな遅くだなんて珍しい。会議？」
gr「おん」

グルッペンは、自前の傘を見せびらかす様にして広げる。頼んだら駅まで入れてくれないかな〜と自分の頬をかいていると彼の方ではあつくなっていた

gr「入らんのか」
「入れてくれるの？ラッキー」
gr「俺の家にしかいかないぞ」
「途中で濡れるからいいよ」
gr「帰りたい用があるんか」
「冷蔵庫に作ってもらったお弁当が残ってるからね」
gr「…」

入ろうとしたAから傘を奪い取る。おかげで容赦なく濡れていくA。ヘラヘラして「酷い〜」と鞄を傘替わりにしだした。俺の気も知ってるくせに腹が立つ

「じゃ、グルッペンばいばーい」
gr「あ、ちょｯ…」

「ん〜？入れてくれないんじゃないの？」
gr「…弁当は朝でも食えるやろ」
「腐ってるかも」
gr「いいから。はよこい」
「うわｯ、…はいはい。朝には返してね」
gr「…それはどうだろうな」


濡れたAの手は冷たい。無理やり繋いで駐車場へ向かった。こいつは、俺がいないと雨に溶けて消えてしまいかねないからな


tn「…くそ」

───
グルッペンの邸宅

「グルッペン、お風呂ありがと」
gr「…酒飲むか？」
「え、飲む飲む」

gr「…」

風呂上がりのAは、少し幼い。一応毎日それなりの化粧をしてるらしく時代を感じた。ガキの頃はしてないくせに

「かんぱぁい。あははｯ」
gr「乾杯」

俺の部屋で無防備に俺の酒を呑むお前
その首の跡は誰が着けたんだ？…選択肢が
多すぎる。誰を排除すればいいかわからん

gr「A、相変わらず細いな」
「そうかな？ちゃんと食べてるよ」

gr「…」

俺の隣でうつらうつらと首が傾くこいつの腹を撫でれば「んー？」と甘い声が鼓膜を惑わした。赤い頬もとても色っぽく女らしく振る舞えば男を引っ掛けれるだろ。

───
グルッペン(??)

我々会社の若き社長
Aのことが大好き。
だが、Aといつどこで知り合ったのかは
お互いに誰にも教えない。
野蛮人でA至上主義
本人の前だとツンデレ

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